第12章 - 鍛冶


シュルッパク包囲の夜明け、リノラがシャミュエルと共に街から脱出する前、住民たちはまだ安全だと信じていた。城壁は崩れることなく立ち、鍛冶場はうなり音を立て、杉とスパイスの香りが、収穫期の初めの空気を漂わせていた。

予言は語られず、警告も与えられず、ただ生きている者が今日が昨日とほとんど同じだろうと勘違いするような、安定した生活のリズムだけが語られた。


鍛冶場は静かに、目的意識を持って息づいていた。石炭は朝の光の中で揺らめき、煙はゆっくりと通気口へと渦巻いていた。オーレンは金床の横に一人立ち、袖をまくり、額に汗を浮かべながら、シャミュエルの荷車が庭に積み重なっていく様子を誇らしげに見守っていた。

ケジアはすでに外に出て、蝶番、のみ、釘、そしてシャミュエルの誇りである亜麻布に包まれた輝く蹄鉄の束の最後の一つを締めていた。彼の広い肩は、長年の労働によって鍛えられた若さのしなやかな強さを物語っていた。

オーレンは彼に近づき、静かに練習していた言葉を告げようとした。「お前はもう腕のいい職人だ。鍛冶場を自由に使え、自分の仕事も選べる。そして重要なのは、今度は自分の作品を売るということだ」

シャミュエルは彫りの深い顎をぽかんと開け、明らかに驚きと喜びを露わにした。「はい、もちろんです、オーレン様。売りますよ!」

ケジアは二人のやり取りに微笑み、重い荷物の横に立った。ロバが動き、車輪が踏み固められた地面に軋んだ。

オーレンはついて行かなかった。そんなことをすれば、ついさっき昇進させたばかりのオーレンに失礼になってしまうからだ。いや、シャミュエルはオーレン抜きでこの任務に取り組まなければならない。「リノラによろしく伝えてくれ!」

二人が手を振り返し、腕を組んで小道を歩き出すのを、彼は見送った。朝の光にシルエットが浮かび上がった。彼の瞳には誇りと安らぎが同時に宿っていた。

彼らが木々の向こうに姿を消すと、彼は鍛冶場に戻り、炭をくべた。火は柔らかく、満足げなため息をついた。

黄金色の一日が長く続いた。オーレンは急ぐことなく、小さな道具一式を形作る間、傍らの鍛冶場の音に満足して作業を進めた。急ぐ必要はなく、ただ手を動かし続けるためだけのものだった。何時間も経つのに気づかず、ようやく背もたれに寄りかかり、胃の奥の空虚感を感じた。

彼は心の中で微笑んだ。ケザイアのシチューはもう出来上がっているはずだ。もう匂いが漂ってくるような気がした。しかし、そこに漂うのは煙と、かすかな石炭の香り、そして遠くの野原の香りだけだった。

彼は外に出て、布で手を拭いた。太陽はほぼ沈みかけ、丘の端では暖かな光を放っていた。はるか遠く、林の向こうの空は奇妙な色に染まっていた。地平線をぼんやりと覆う、鈍く立ち上る霞のようだった。

「またお祭りか」と彼は半ば声に出して呟いた。シュルッパクが夜を光と陽気で満たしたのは初めてではなかった。ああいう、長く続くような。彼はその思いに慰められた。

その夜、鍛冶場は早くも薄暗くなった。彼は少しパンを食べ、炭のそばに座り、燃え尽きるまで、道を走る車輪の聞き慣れた音を待った。しかし、何も聞こえなかった。

朝になると、空気は一変した。煙の匂いはより強くなり、舌の上でかすかな味がするようになった。彼は再び外に出て、丘の頂上を越える荷馬車の姿が初めて見えるかと期待したが、地平線に見えたのは、いつもと同じ灰色のベールだけだった。

何でもないと自分に言い聞かせた。ケザイアは慎重だし、シャミュエルは有能だ。きっと貿易のために滞在したか、友人を見つけて訪ねたのだろう。それでも、何かが胸に引っかかっていた。

正午になると、彼は集中できなくなった。ハンマーは的を外し、リズムも乱れた。気がつくと、遠くの道を見つめ、荷車の形やケザイアのショールのきらめきを想像していた。

日が暮れるにつれ、空腹感が戻ってきた。今度はより強く、ゆっくりと深まる恐怖感も加わって。彼は一日中何も食べていなかった。静寂が彼を包み込んだ。

夜が明けると、オーレンは鍛冶場の脇にランプを一つ灯し、囁いた。「明日だ。自分の目で確かめよう。」

ランプは長い間安定して燃え続け、ついには炉の中の最後の石炭が消え去った。

翌朝は冷たく、色もなかった。オーレンは日の出前に起き、背後の鍛冶場はまだ暗かった。彼は何も持っていなかった。パンも道具も。ただ金袋と水筒だけ。足は目的を持って動いていたが、心はまだ半分希望に満ち、半分恐怖を言葉にするのが怖かった。

シュルッパクへの道は、記憶していたよりも長く感じられた。曲がるたびに空の薄暗い霞が少しずつ現れ、低地に近づくにつれて濃くなっていった。道沿いには割れた陶器が散らばっていた。静寂はどこか違和感があった。商人もなく、笑い声もなく、ただ草むらをかすめる風の柔らかな音だけが聞こえた。

街の外野の近くで、ボロ布にくるまった老人が崩れかけた壁に寄りかかって座っているのが見えた。その光景に彼は立ち止まった。門からここまで遠くまで物乞いが居座るなんて、今まで見たことがない。物乞いをする相手も何もないのだ。

オーレンは一歩近づき、袋から大麦のかけらを二つ取り出した。「お父様」とそれを差し出し、「シュルッパクで何が起きたんですか?」と尋ねた。

乞食は顔を上げた。目は赤く染まり、声は乾いたささやき声だった。「シュルッパクはもういない。今見ているのはドレヴィバドだ」

オレンは理解できずに眉をひそめた。

男は遠くの霞を指差して頷いた。「俺は遠く離れた場所にいる。近づいたら殺されてしまう。純血種すぎる。もっと若かったら、とっくに死んでるだろう。教えてくれ、息子よ…お前は混血か?」

オレンはためらった。「いいえ。」

乞食は身を乗り出し、低く切迫した口調で言った。「今日はそうだ。君の体格なら誰も疑わないだろう。だが、君のような純血の人間は門まで生きられないだろう。血統を忘れるな。アシュラクの孫だと言いなさい。口数は少なく、用心深く歩け。」

オレンは金貨の入った袋をぎゅっと握りしめた。二人の間には、鉄のように重く、アシュラクの名が浮かんでいた。彼は一度頷いた。

「息が苦しくならないように」乞食は頭を下げながら言った。

オレンは煙に向かって歩き続けた。空気が目にしみるような痛みを感じたが、彼は歩みを止めなかった。

彼は東門から街に入った。百回も通った道だが、今はまるで別世界へ足を踏み入れたような気がした。頭を低くし、口調に注意しながら、アシュラクの名を数え切れないほど繰り返し唱えた。この地ではその名に重みがある――新王が決して汚すことのできない力の遺物だ。彼がその名を口にするたびに、衛兵や徘徊者たちは目をそらした。

通りは煙と獣脂の悪臭を放っていた。路地には獣や人間の頭蓋骨で作られた蝋燭の祭壇が並び、その空洞の穴は震える光を放っていた。

彼はかつて荷馬車を停めていた場所を通り過ぎた。かつては商品のぶつかり合う音、焼けた鉄に水が流れる音で賑わっていた場所だ。露店の看板は消え、槍立てと血の臭いが漂っていた。足跡は石一つ一つを覚えているのに、道そのものは彼から遠ざかっているようだった。ケザイアが蜂蜜パンと物々交換をしたパン屋の天蓋は崩れ落ち、灰になっていた。かつて通りに笑い声を響かせていた酒場も、今は梁から煙を吐き出すだけだった。

金属細工の火鉢がひっくり返って横たわり、炭は黒く溶けてガラスのようになっていた。オーレンは煤に半分埋もれたトングに目を留めた。彼自身のデザインだ。彼はそれを拾い上げ、まだ本能的に蝶番の調子を確かめていたが、持ち手の部分に錆びの跡があることに気づき、落としてしまった。

街は進むにつれて、自らの死を彷彿とさせるようだった。嵐の祭典のために描かれたと記憶している壁画は、焼け焦げて原形を留めなくなっていた。かつて旅人たちが集まっていた古井戸は瓦礫で埋もれていた。市場の喧騒は、蠅の低い羽音に取って代わられていた。

広場の近くで、彼は立ち止まった。ジャッカルの死骸が立てかけられていて、まるでグロテスクな偶像のようだった。その肩の上には、串刺しにされ半ば腐ったシュルッパクの役人の頭がぶら下がっていた。蠅が飛び回り、窪んだ目の下ではウジがうごめいていた。

目の前には診療所がそびえ立ち、扉は煤で黒ずみ、窓は半分板で覆われていた。すぐ外にはセラの姿が見えた。治療師のスリングは灰で灰色になっていた。

彼は低い声で慎重に彼女に近づき、「私はアシュラクの孫だ」と、彼女が口を開く前に言った。

セラは一度彼を睨みつけ、かすかに頷くと、彼だけが聞こえるくらいの距離まで近づいた。「あなたはここにいるべきじゃない。行かなくちゃ。」

「私の家族、私の弟子なしでは無理よ。」

「声を小さくして」と彼女は小声で言った。視線は広場へと飛んだ。兵士たちが列をなして捕虜を引きずっていた。「こっちだ」

セラは彼に戸口の内側の壁際に座るように合図し、声を潜めた。「リノラとシャミュエルが他の難民たちと西へ逃げるのを見たわ。最悪の事態は免れたのよ。」

安堵の感情が湧き上がり、そして消えた。「それからケジは…」

セラはその言葉を捉え、視線で黙らせた。優しく言う術はなかった。セラの両手は互いに絡み合い、ショールの端を絞った。声は和らぎ、一度だけ震えた。「火が燃え広がった時、彼女は中にいました。屋根が崩れ落ち始めても、焼け跡を消そうとそこに留まっていました。番人たちが駆けつけた時、彼女を見つけました。彼女の勇気は王を喜ばせたそうです。彼らは彼女を王妃の一人だと考えました。」

オレンの顔は硬くなり、まるで何か大切なものが奪われたかのように血色が抜けていった。「だめだ」

セラは言葉を詰まらせながら続けた。「檻越しに彼女と少し話したわ。彼女は、彼の器となって、彼の同族をこの世に生み出すつもりはないと言っていたの。彼女の体は…そう、あなただけのためのものだって」

彼女の声は震えた。「そう言う時、彼女は微笑んでいました。まだ選択肢があると言ってくれました。最後の献身的な行為でした。」

オレンは息をしていなかった。

セラは息を呑んだ。「日の出前に…彼女は誰にも自分の尊厳を奪われないようにしていた。私は彼女が檻の中でうずくまり、命を失い、自らの血の海に横たわっているのを見た。」

世界は静まり返ったようだった。空気は熱気と蠅で重く漂い、遠くからかすかに響く鐘の音だけがかすかに響いていた。オーレンは動かず、口も開かなかった。指の関節が白く、保健室のドアの縁に手を握っていた。

セラは続けようとしたが、言葉は喉の奥でかすれた。「彼女は勇敢だった」と、彼女はついに囁いた。「最後の最後まで」

彼は目を上げて西側の壁を見た。

「彼らがどこへ行ったかは分からないけど、安全だということは分かっている」とセラは言い、診療室に戻っていった。

しばらくして、彼女は手のひらに小さな何かを乗せて戻ってきた。木彫りの雀で、羽根は時の流れと手触りによって滑らかになっていた。彼女はそれをオーレンの手に優しく置いた。

「リノラのために」セラは言った。

オーレンは鳥を見下ろし、親指で羽のかすかな溝をなぞった。息を呑みながら、一度頷いた。「彼女は無事だ」と彼は囁いた。「きっとそうだ」

悲しみに打ちひしがれる前に、彼はドレヴィバードから逃げ出した。老人の警告――口数は少なく、長生きせよ――は今も心に響いていたが、今となってはその言葉は空虚に感じられた。霧が薄れ、死の匂いが再び草の匂いに変わるまで、彼は東の野原を頭を低くして進んだ。

鍛冶場に着く頃には、すでに夜になっていた。見慣れた壁が静寂の中で彼を迎えた。彼は金床の傍らに腰を下ろし、両手を力なく垂らした。今さら鍛冶場は何の役に立つというのか?なぜ何かを作るのか?そして、誰のために?

彼はケザイアの最後の抵抗、彼女の勇気、そして冷静な反抗を思った。その姿は炭火よりも明るく燃えていた。彼女の後を追いたい衝動に胸が痛んだ――自らの刃に倒れ、終わりを迎えたい衝動に。

オレンは剣を掴み、その手は柄をしっかりと握りしめ、その動きは生々しく衝動的だった。

その時、別の考えが頭をよぎった。リノラの顔、鍛冶場へ歩いて行き、そこにいる彼を見つける姿。その光景に彼は凍りついた。あの苦しみを彼女に残しておけなかった。

空いている手で床に置かれた彫刻された雀を見つけた。小さな鳥は空気のように軽やかだったが、まるで彼を繋ぎ止めているようだった。

彼は剣を脇に置き、代わりに雀を握りしめ、誰もいない店内にささやいた。「必要なだけ。」

そして彼はそこに留まった。毎晩、太陽が谷底に沈むと、彼は再び鍛冶場に火を灯した。仕事のためではなく、待つためだ。家族に聞こえるかもしれないとでも言うように、彼は空っぽの部屋に向かって話しかけた。テーブルに三つの皿を並べた。一つはケジアに、一つはリノラに、そして一つはシャミュエルにも。ある夜は祈りを捧げ、ある夜は言葉が尽きるまで語り続けた。

日々は一週間へと流れ、希望は糸のように薄くなっていった。髪は伸び、髭は汚れていった。リノラがいつ家に帰ってきてもおかしくないから、身なりを整えておこうと努めたが、たいていの朝は一日が終わるまで延ばしていた。

たいていの夜、明かりが消え、鍛冶場が冷えきった時、彼はテーブルの下の大きな火のついたフラスコに手を伸ばした。黒い飲み物を一口飲むのは暖をとるためだった。それから二口飲むのは静寂のためだった。そしてついに、暖かさと静寂が同じものになった。一度、シューという音を聞くためだけに、炭に少し注いだことがあった。そして、煙が彼女の髪のように渦巻くのを見た。それ以来、彼は火をつけるたびに、もう一度味わってみたくなった。

時々、もう一口飲もうとすると、彼女の声がまた聞こえてくるようだった。 「オーレン、絶対に飲まないで」一度なら止められるかもしれないが、二度目は止められなかった。

季節の変わり目もほとんど感じなかった。緑豊かな季節の始まりの夕方だった。空気はもはや煙や霞、灰の匂いではなく、爽やかだった。彼は再びテーブルに座り、目の前の手つかずの皿を見つめた。隙間風が喉を焼いたが、その方が物語はスムーズに語れた。祈りのように、そして謝罪のように。言葉が静寂に飲み込まれ、皿の傍らで眠りに落ちた。彼らが何か返事をしてくれることを夢見ながら。

「オーレン様」

彼は凍りついた。声はかすかだった――きっと心の錯覚だろう。皿は普通、返事をしないものだ。

だが、今度は少しだけはっきりとした。「オーレン様」

彼は息を呑んだ。鋭く、熱心に頭を振り、耳を澄ませた。

三度目は、外からさらに大きな声でこう言った。「オーレン様!」

彼は心臓を激しく鼓動させながらよろめきながら立ち上がり、戸口まで走っていった。

薄れゆく光に囲まれて、杖を手にしたシャミュエルがそこに立っていた。年老いて、傷つきながらも、相変わらず明るい笑顔を浮かべていた。

言葉を失い、オーレンは信じられないというように両腕を広げて前に出た。シャミュエルの笑みは揺るぎない。

「オーレン様。質問がございます。」

オーレンはシャミュエルをぎゅっと抱きしめた。ぎゅっと抱きしめると、軽く咳き込んでから下ろした。「何でもいいから、息子よ!何でも言ってくれ。」シャミュエルは首を傾げ、考え込むように顔を上げた。

「リノラのことなんだけど…」

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